機械解体と手作業解体の違いとは？

昭島市、八王子市周辺で解体工事を請負っている、株式会社野島工務店です。建物を壊すときに使われる主な方法は、「機械解体」と「手作業解体（手こわし解体）」の2種類です。どちらも「建物を安全に撤去する」という目的は同じですが、工法・費用・工期・安全性などに大きな違いがあります。今回は、それぞれの特徴やメリット・デメリット、向いている建物などをわかりやすく紹介していきます。

【機械解体とは】

まずは、最も一般的な「機械解体」について見ていきましょう。重機を使って一気に建物を壊していく方法です。

・重機を使って効率的に解体する方法

油圧ショベルやバックホーと呼ばれる重機に、アタッチメント（つかみ具）を取り付けて解体します。コンクリートや鉄骨を強力に破壊できるので、大規模な建物でも短期間で作業が完了します。

・スピード重視でコストを抑えられる

手作業と比べると作業時間が短く済むため、人件費を抑えることができます。結果的に、全体の費用も安くなる傾向があります。

・粉じんや騒音が発生しやすい

重機を使うため、騒音や振動、ほこり（粉じん）の発生が多くなります。住宅街などでは養生シートや散水作業を徹底して、近隣への影響をできるだけ減らす工夫が必要です。

・安全面でも注意が必要

重機を操作するには高い技術が必要です。周囲の電線や隣接建物との距離が近い現場では、細心の注意を払わなければ事故につながる危険もあります。

【手作業解体（手こわし解体）とは】

次に、「手作業解体」について見てみましょう。こちらは重機を使わず、人の手で一つひとつの部材を取り外していく方法です。

・職人が手作業で丁寧に壊していく

主にバールやハンマー、のこぎりなどを使って、建材を一枚ずつ外していきます。建物を壊すというより「解体して分解する」というイメージに近いです。

・再利用やリサイクルに向いている

木材や瓦、古建具などを再利用する予定がある場合に最適です。手作業なら傷つけずに取り外せるため、古民家再生や古材販売の現場でもよく使われます。

・振動、騒音が少なく、近隣への影響が小さい

重機を使わないため、音やほこりの発生が最小限に抑えられます。狭い住宅地や隣家との距離が近いエリアでも安心して施工できます。

・時間と費用がかかる

人の手で進める分、どうしても工期が長くなります。また、人件費も多く必要になるため、機械解体に比べて費用が高くなる傾向があります。

・安全対策が欠かせない

屋根や高所での作業も多いため、職人の安全管理が重要です。ヘルメットや安全帯の使用、崩落防止の支えなど、慎重な対応が求められます。

【機械解体と手作業解体の主な違い】

ここで、両者の違いをわかりやすく整理してみましょう。

・使用する道具や機械の違い

機械解体では油圧ショベルなどの重機を使い、手作業解体では人の手工具を使います。作業の規模や建物の構造によって使い分けられます。

・スピードとコストの違い

機械解体はスピーディーで費用も安く済みますが、手作業解体は時間とコストがかかります。コスト重視か品質重視かで選ぶ基準が変わります。

・精度と丁寧さの違い

手作業解体は部材を傷つけず丁寧に壊せるため、リサイクルや再利用に向いています。機械解体はスピード重視のため、部材の再利用は難しい場合が多いです。

・周辺環境への影響

重機を使うと騒音や振動が大きくなりがちです。住宅街や狭小地では、手作業解体を選ぶことでトラブルを防げることもあります。

・安全面での違い

機械解体は重機の操作ミスや倒壊の危険、手作業解体は高所作業による転落やケガのリスクがあります。それぞれに異なる安全対策が必要です。

【どんな建物にどちらが向いているか】

建物の種類や立地によって、どちらの工法が適しているかが変わります。

・木造住宅や古民家は手作業解体が向く

昔ながらの木造住宅や、再利用したい建材がある場合には、手作業解体が適しています。建物を丁寧に壊すことで、古い梁や柱を再活用できます。

・鉄骨造やRC造は機械解体が一般的

鉄筋コンクリートや鉄骨構造の建物は強度が高く、手作業では効率が悪いため、重機による機械解体が主流です。工期を短くできるのも大きな利点です。

・狭い住宅街や隣接建物が近い場所では手作業

重機が入れないほどの狭い現場や、隣の家と密接しているような土地では、部分的に手作業を取り入れて安全を確保します。

・工期が限られている場合は機械解体

急ぎの案件や建て替えスケジュールが決まっている場合は、スピーディーな機械解体が有利です。

【実際の現場では「併用」が多い】

最近の解体現場では、「完全にどちらかだけ」というより、両方を組み合わせて使うケースが多くなっています。

・外回りや屋根部分は手作業、残りは機械

危険な高所や繊細な部分は職人が手作業で壊し、残りの主要構造部分は重機で一気に壊すといった使い分けです。

・隣接部分だけ手作業にする方法

隣の建物を傷つけないように、境界部分だけを手こわしにすることもあります。安全性と効率を両立するための工夫です。

・廃材の分別に手作業を活用

環境配慮のために廃棄物を分別する際、手作業が活かされます。リサイクル率を高める上でも欠かせない工程です。

【機械解体・手作業解体の費用目安】

費用面でも両者には大きな差があります。ただし、現場条件や構造によって変動するため、あくまで一般的な目安です。

・機械解体の費用相場

木造住宅の場合、坪あたり3万円～5万円程度が相場です。鉄骨造やRC造は重機の種類や廃材処分費によって6万～10万円ほどになることもあります。

・手作業解体の費用相場

手こわし解体は人件費が大きいため、木造でも坪あたり6万～10万円ほどかかる場合があります。部材の再利用や特別な配慮が必要な場合はさらに高くなることもあります。

【環境面での違い】

環境配慮の面でも、それぞれに特徴があります。

・機械解体は廃棄物が多く出る

一気に壊すため、木材やコンクリートが混ざった状態で排出されやすく、リサイクル率が低くなりがちです。

・手作業解体はリユース、リサイクルに貢献

部材ごとに分けながら解体するため、再利用できる資材を多く取り出せます。環境負荷を減らしたい方には向いています。

【昭島市、八王子市での解体工事はエコ・クリーン解体（株式会社野島工務店）へ】

今回は、機械解体と手作業解体の違い、それぞれの作業方法が適した場面などについて解説いたしました。機械解体と手作業解体には、それぞれ得意・不得意があります。現場によっては両方を組み合わせて、安全性と効率を両立するケースも多くあります。解体は「壊すだけの作業」ではなく、土地の再利用や次の建築の第一歩です。建物の構造・立地・目的に応じて最適な方法を選び、安心・安全に進めていくことが大切です。昭島市、八王子市で解体工事をご検討の際は、ぜひ株式会社野島工務店へご相談ください。