昭島市、八王子市周辺で解体工事を請負っている、株式会社野島工務店です。古い建物の撤去作業を行うときに、特に注意が必要なのが「石綿(アスベスト)」です。かつては建築材料として多く使われていましたが、現在では健康への悪影響が知られ、厳しく規制されています。撤去作業の現場では、石綿を扱う可能性があるかどうかを見極め、安全に取り除くための対策が欠かせません。今回は、石綿がどのようなものなのか、なぜ危険なのか、そして撤去作業でどのように扱うべきかについてわかりやすく解説いたします。
Contents
- 【石綿(アスベスト)とは?】
- ・石綿は天然にできる鉱物の繊維
- ・健康に悪影響を与えることが判明
- ・古い建物には高確率で使われている
- 【石綿が含まれている可能性のある建材】
- ・吹き付け材
- ・スレート材(屋根・外壁)
- ・ビニル床タイルや接着剤
- 【撤去作業前の準備と調査】
- ・専門業者による事前調査を実施する
- ・行政への届出を行う
- ・作業中の安全対策
- ・作業エリアを封鎖する
- ・湿式作業で粉じんを防ぐ
- ・保護具を必ず着用する
- 【廃棄物の処理方法】
- ・袋に二重で密封する
- ・許可を受けた処分場へ運ぶ
- 【作業員の健康管理】
- ・作業記録を残す
- ・定期的な健康診断を受ける
- 【近隣への配慮も忘れずに】
- ・事前の説明と告知を行う
- ・作業時間や騒音にも配慮する
- 【万が一の飛散時の対応】
- ・作業を即座に中止する
- ・関係者に報告し、周囲を保護する
- 【昭島市、八王子市での解体工事はエコ・クリーン解体(株式会社野島工務店)へ】
【石綿(アスベスト)とは?】
まず、石綿がどのようなものかを知っておきましょう。
・石綿は天然にできる鉱物の繊維
とても細い繊維状の鉱物で、熱や摩擦、酸にも強く、昔は「夢の素材」と呼ばれていました。そのため、建築資材やブレーキパッド、断熱材、防火材などに幅広く使われていた時代があります。
・健康に悪影響を与えることが判明
石綿の繊維は非常に細かく、空気中に舞うと吸い込んでしまいやすいのが特徴です。吸い込んだ繊維が肺にたまり、長い年月を経て肺がんや中皮腫を引き起こすことがあるため、今では使用が禁止されています。
・古い建物には高確率で使われている
1970年代から90年代初めに建てられた建物では、屋根材や天井材、壁の内装などに石綿が含まれている場合が多いです。見た目ではわからないことも多く、「古い家だから危ない」というわけではないものの、調査をしないまま壊すのは危険です。
撤去や解体の際に、壁や天井を破壊すると微細な繊維が空気中に飛散します。それを作業員が吸い込んでしまうと健康被害につながるため、特別な作業方法で扱わなければなりません。
【石綿が含まれている可能性のある建材】
・吹き付け材
鉄骨の耐火被覆や天井裏の断熱用に使われていることがあります。粉状で付着しているため、触るだけで繊維が舞いやすい危険なタイプです。この部分の撤去は専門の業者が防護服を着て行う必要があります。
・スレート材(屋根・外壁)
住宅や工場の屋根、外壁に使われている波板スレートにも石綿が含まれていることがあります。割ったり砕いたりすると粉じんが発生するため、取り外す際には湿らせながら慎重に行います。
・ビニル床タイルや接着剤
意外にも床材や接着剤にも含まれているケースがあります。見た目では判断しづらいため、専門の検査が必要です。床をはがすときにも繊維が出ることがあるため、注意して作業を行います。
【撤去作業前の準備と調査】
・専門業者による事前調査を実施する
まず、建物のどの部分に石綿が使われているかを確認します。目視だけでは判断できないため、試料を採取して分析することが一般的です。調査結果に基づいて、どの範囲をどのように撤去するかを計画します。
・行政への届出を行う
石綿が含まれていることが判明した場合、作業開始前に行政機関へ届け出を出す必要があります。これは法律で義務付けられており、報告を怠ると罰則を受ける可能性があります。
・作業中の安全対策
撤去中に石綿を飛ばさないようにすることが、最も重要なポイントです。
・作業エリアを封鎖する
石綿が飛ばないよう、作業する部屋をビニールシートなどで完全に覆います。外気と遮断し、出入り口には専用の除じん室を設けて、作業員が外に出る前に粉じんを落とせるようにします。
・湿式作業で粉じんを防ぐ
乾いた状態で壊すと粉が舞うため、水をまきながら作業します。水を含ませることで、繊維が空気中に飛び散りにくくなります。散水装置や霧吹きを使って、常に湿った状態を保つのが基本です。
・保護具を必ず着用する
防じんマスク、防護服、手袋、ゴーグルを身につけて作業を行います。特にマスクは普通のものではなく、石綿用の高性能フィルター付きのものを使用します。
【廃棄物の処理方法】
撤去した石綿は、通常のごみとして捨てることはできません。
・袋に二重で密封する
石綿を含む廃材はビニール袋に入れ、しっかり口を閉じて密封します。そのうえで、もう一枚袋に入れて二重に封をします。袋には「石綿廃棄物」と明記し、他の廃棄物と混ざらないように管理します。
・許可を受けた処分場へ運ぶ
石綿廃棄物は、自治体から認可を受けた処分場でしか受け入れてもらえません。搬出や運搬も、石綿に対応できる業者が行う必要があります。
【作業員の健康管理】
石綿の撤去は、健康への影響を防ぐために、作業後の管理も大切です。
・作業記録を残す
どの現場で、どのような作業を行ったかを詳細に記録します。将来、健康被害が出た場合に、原因を特定するための重要な資料になります。作業員一人ひとりの作業履歴を管理することが求められています。
・定期的な健康診断を受ける
石綿作業に従事する人は、定期的な健康診断を受けることが推奨されています。早期に異常を見つけることで、重い病気を防ぐことができます。
【近隣への配慮も忘れずに】
撤去現場の安全管理だけでなく、周囲への配慮も大切です。
・事前の説明と告知を行う
近隣住民に「石綿を含む建物の撤去を行う」ことを説明し、安全対策をきちんと取ることを伝えましょう。説明があることで、不要な不安やトラブルを防ぐことができます。
・作業時間や騒音にも配慮する
石綿の作業は慎重に行うため時間がかかりますが、早朝や夜間の作業は避けるのが望ましいです。騒音や粉じん対策をしっかり行うことで、近隣とのトラブルを防げます。
【万が一の飛散時の対応】
もし石綿が飛散してしまった場合は、迅速に対応することが必要です。
・作業を即座に中止する
飛散が確認されたら、すぐに作業を止め、現場を封鎖します。無理に掃除しようとせず、専門業者に依頼して安全に回収してもらいます。拭き掃除や掃き掃除はかえって粉じんを広げる危険があるため、絶対に行ってはいけません。
・関係者に報告し、周囲を保護する
作業責任者や行政機関に報告し、飛散範囲を確認します。近隣住民にも状況を説明し、安心してもらう対応が求められます。再発防止のために、原因を調べて今後の作業に活かすことが重要です。
【昭島市、八王子市での解体工事はエコ・クリーン解体(株式会社野島工務店)へ】
今回は、撤去作業と石綿(アスベスト)の関係性について解説いたしました。石綿は古い建物に含まれていることが多く、壊すと空気中に繊維が飛び散ります。そして、それを吸うことで健康に深刻な影響を与える危険性があります。しかし、適切な手順を踏めば、石綿を安全に撤去することは可能です。何より大切なのは「慣れ」や「大丈夫だろう」という油断をしないことです。目に見えない危険だからこそ、丁寧な準備と確実な安全対策を心がけることが、作業員の命と地域の安心を守ることにつながります。昭島市、八王子市で解体工事をご検討の際は、ぜひ株式会社野島工務店へご相談ください。