昭島市、八王子市周辺で解体工事を請負っている、株式会社野島工務店です。ご自身の自宅や実家の境界線に、重厚なコンクリート塀が長年立ち続けていませんか?それが、通称「万年塀(まんねんべい)」です。昭和の中頃から広く使われていたこの構造物は、非常に堅牢なつくりをしている反面、老朽化が進行すると倒壊などの危険性を孕んでいます。今回は、万年塀の構造や老朽化によるリスク、解体・撤去の際の流れや費用の目安、注意点などを詳しく紹介します。安全な暮らしを守るためにも、今一度お住まいの塀を見直してみましょう。
Contents
【万年塀とは何か?】
万年塀とは、鉄筋コンクリート製の柱を等間隔に建て、その間に平板状のコンクリートを挟み込んだ構造の塀を指します。正式名称は「鉄筋コンクリート組立塀」で、頑丈な造りから「万年(=永遠)」とも称されるようになりました。
多くは住宅の敷地境界や道路沿いなどに設置されており、プライバシー保護や防犯、防風・防音といった目的で活用されてきました。柱の下部は地中に埋設されており、構造的にはかなりの重量があるため、解体する際は重機や専門の技術が必要です。
【老朽化した万年塀を放置するとどうなるか】
築40年、50年といった長い時間が経過した万年塀には、目に見えない危険が潜んでいます。経年により支柱内部の鉄筋が錆び、コンクリートが膨張してひび割れ(クラック)や浮きが発生。さらにそのまま放置すれば、板がずれたり、倒壊する恐れもあります。
特に地震や強風、大雨など自然災害の際には、構造が劣化した万年塀が突然崩れ落ちるケースも報告されています。過去には、地震で倒壊した塀の下敷きになり、命を落とした痛ましい事故もありました。
こうした事故を未然に防ぐためには、塀の老朽化を見逃さず、早めに対応を取ることが不可欠です。
【危険の兆候は?こんなサインに要注意!】
次のような症状が見られる万年塀は、倒壊のリスクがあると考えられます。該当箇所がないか、ぜひご自宅の塀をチェックしてみてください。
・目に見えて傾いている、揺らぐ
・表面に細かいひび割れや深いクラックがある
・コンクリート片が剥がれている
・支柱周りが変色している
・上部にある“笠木”が外れている、または破損している
・塀全体が風化し、もろくなっている
ひとつでも当てはまる場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。
【万年塀の撤去工事の進め方】
解体工事には順序と段取りが重要です。以下に、一般的な万年塀の解体工事の流れを紹介します。
1. 隣地との調整
塀が隣地との境界線にある場合、作業時に隣家側へ立ち入る必要があります。事前に許可を得ていないと工事が中断する恐れがあるため、施工主自身がしっかり説明し、了承をもらっておくことが重要です。
2. 近隣への挨拶まわり
万年塀の解体では、電動工具の騒音やコンクリートの粉塵が発生します。事前に挨拶しておけば、近隣トラブルを回避できます。
3. マーキングと準備作業
解体する部分と残す部分を明確に区別するため、切断線をマーキング。その後、工具を使ってコンクリートに切り込みを入れます。
4. 養生作業
飛散防止のため、ブルーシートなどで周囲を覆います。これにより破片や粉じんが周囲に広がるのを防ぎます。
5. 平板の取り外し
塀の上部から順に平板を1枚ずつ外します。1枚が非常に重いため、作業には複数人で行うことが原則です。
6. 支柱周りの掘削
柱の下部が地中に埋まっているため、重機を使って周囲を掘削。十分に掘り下げることで、支柱全体をきれいに撤去できます。
7. 支柱の撤去と整地
支柱が取り外せたら、土を戻して整地作業を行います。穴が空いている場合は、ロープやカラーコーンで安全対策を忘れずに。
【解体にかかる費用の目安】
では、実際にどれくらいの費用が必要になるのでしょうか?
以下は万年塀の解体・撤去にかかる主な費用の内訳です。
・作業員の人件費
1人工あたり20,000円〜25,000円程度(東京近郊)
例:5人×2日間 → 20万〜25万円
・重機、機材費
重機の使用料や搬入費などが発生。重機が使えない場所では手作業となり費用が高騰します。
・解体材の運搬費
トラック1台あたり5,000円〜10,000円
コンクリート平板は1枚で40kg前後あり、複数台分の運搬が必要になる場合も
・現場諸経費
工具の消耗品、ガラ袋などの資材費が含まれます。
・廃材の処理費
解体後に出るコンクリート廃材の処分費用。昨今の産業廃棄物処理費は年々上昇傾向にあります。
【追加費用がかかるケースとは?】
解体現場によっては、以下のような条件下で追加費用が発生する可能性があります。
・隣地の立ち入りができず、工期が延びる
・アスベスト含有建材が見つかった場合
・解体中にトラブルや中断が生じたとき
・支柱の基礎が予想以上に深いなど
正確な見積もりを得るには、現地調査を行ってもらうことが重要です。
【昭島市、八王子市での解体工事はエコ・クリーン解体(株式会社野島工務店)へ】
今回は、万年塀の解体を検討すべきサインや、その手順などについて解説いたしました。古くからある万年塀は、構造的に頑丈な反面、劣化による事故の危険があるため、定期的な点検と、必要に応じた解体・撤去が求められます。境界線に設置されていることが多いため、隣地との調整や近隣への配慮も忘れてはいけません。安全で快適な暮らしを守るため、老朽化の兆候が見られたらぜひ早めの対策をおすすめいたします。昭島市、八王子市で解体工事をご検討の際は、ぜひ株式会社野島工務店へご相談ください。