はつり工事とは

昭島市、八王子市周辺で解体工事を請負っている、株式会社野島工務店です。「はつり工事」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。これは、コンクリートやアスファルトなどの硬質な構造物に対して、削ったり、切断したり、穴を開けたりする作業を指す建設工事の一種です。漢字では「斫り」と書き、「斫る（はつる）」という動詞には「削る」や「切る」という意味があります。

解体工事と混同されがちですが、はつり工事はより繊細で、細部の加工を求められる場面で使われます。今回は、はつり工事の定義や種類、実際に行われる現場、さらには解体工事との違いについて詳しく解説します。

【はつり工事の基本的な特徴】

はつり工事は、主にコンクリート構造物を対象に、その一部を削り取ったり、壊したりする作業を意味します。建築物やインフラ施設の施工・修繕・改修など、幅広い場面で行われており、特に重機が入れないような狭小なスペースや、騒音・振動への配慮が求められる場所において活用されています。

コンクリートは非常に硬く頑丈な素材であるため、取り扱う際には特殊な工具や機械が必要です。ブレーカー、チッパー、削岩機、ハンマードリルなどが使用され、これらを熟練の職人が使いこなすことで、高精度な作業が可能になります。

【主なはつり工事の種類】

はつり工事には、目的や施工方法によっていくつかの分類があります。ここでは代表的な3つのタイプを紹介します。

1. コンクリートはつり工事

玄関ドアや窓枠（サッシ）を設置するために、コンクリート壁の一部を削ったり、形状を整えたりする工事です。ピックやドリルを用いて必要な部分を削る作業で、リフォームや増改築工事の際に頻繁に行われます。

2. こわし工事（破砕作業）

「こわし工事」は、建物の一部を粉砕・破壊する工程を指します。例えば、古くなったブロック塀や不要になった設備の撤去時に、ピンポイントで壊すことが必要な場合に行われます。比較的小規模な破壊を目的としており、周囲への影響を最小限に抑えることが可能です。

3. はつり仕上げ工事

コンクリートの表面を美しく仕上げるための工事で、装飾的な要素も含まれます。チッピングや表面を叩いて模様をつける「たたき仕上げ」など、職人の技術が求められる作業です。打ちっぱなしの壁面に表情を与える手法としても重宝されています。

【解体工事との違いは？】

一見すると、コンクリートを削る・壊すという点で共通する「はつり工事」と「解体工事」ですが、実際には目的や規模、方法に大きな違いがあります。

・解体工事とは

解体工事は、建物全体を取り壊す工事を意味します。住宅やビル、倉庫などの構造物を、重機や大型の解体機械を使って一括で壊していく大規模な工事です。建物が老朽化して危険だったり、都市開発で更地に戻す必要があったりする際に実施されます。

建築物の構造や立地によっては、数週間から数か月にわたる長期間の工事になることもあり、騒音や粉じんの発生が避けられないため、事前に周囲への説明や許可取りが欠かせません。

・はつり工事との違い

一方で、はつり工事は建物の一部に限定して行う部分的な作業です。重機を使うことは少なく、人の手による繊細な作業が主流となります。施工の規模も比較的小さく、リフォームや補修工事の一部として実施されるケースが多いです。

また、解体工事は建物の寿命が終わった後に行われるのに対し、はつり工事は建物を残したまま、その一部を加工・変更する目的で行われます。このように、両者は目的とスケールが大きく異なります。

【はつり工事が必要となる現場の具体例】

実際にどのようなシーンで、はつり工事が求められるのかを見てみましょう。以下に代表的な施工現場を紹介します。

・狭小スペースでの施工

都市部では、建物が密集しており、重機が入りにくいケースも少なくありません。そうした狭い空間では、はつり工事によって壁や床の一部を削ったり、設備を取り付けるためのスペースを確保したりします。

・騒音対策が必要な場所

マンションのリフォームや医療機関、保育施設など、騒音に配慮が求められる場所では、大型の機械による解体作業は難しい場合があります。はつり工事では比較的静かな機器を使用し、近隣への影響を最小限に抑えることができます。

・インフラの部分補修

道路や橋、駐車場などのコンクリート舗装面にひび割れや欠損が生じた場合、一部をはがして修繕する必要があります。このようなインフラの部分的なメンテナンスも、はつり工事の対象です。

・設備取り付けや変更時

後からエアコン配管や電気配線を追加する必要が出た場合、既存の壁や床に穴を開けて対応する必要があります。このような小規模加工も、はつり工事の一種です。

・装飾、仕上げ工事

コンクリート打ちっぱなしの内装や外装に意匠性を加えるために、表面をあえて粗くしたり、模様をつけたりする加工もはつり工事に含まれます。

【はつり工事を行う際の注意点】

はつり工事は比較的小規模な工事とはいえ、いくつか注意すべきポイントがあります。

・近隣住民や周辺環境への配慮

作業中に発生する騒音や振動、粉じんなどがトラブルの元になりやすいため、事前に周辺住民に説明し、理解を得ておくことが重要です。また、作業時間や工具の使用方法を工夫して、影響を極力抑える必要があります。

・技術者のチームワークが重要

はつり工事は人力作業が多いため、複数人で連携しながら効率的に進める必要があります。特に安全性が重要視される現場では、職人同士のコミュニケーションとチームワークが非常に大切です。

【昭島市、八王子市での解体工事はエコ・クリーン解体（株式会社野島工務店）へ】

今回は、はつり工事と解体工事との違い、はつり工事を行う際の注意点などについて解説いたしました。はつり工事は、建物の新築やリフォーム、インフラの補修など、さまざまな場面で活用されている重要な施工技術です。コンクリートに対して細やかな加工が必要な場合には欠かせない作業であり、解体工事とは目的や方法が大きく異なります。見えない部分の作業が多いはつり工事ですが、そのクオリティが建物の耐久性や美観を大きく左右することも少なくない、重要な作業なのです。昭島市、八王子市で解体工事をご検討の際は、ぜひ株式会社野島工務店へご相談ください。