昭島市、八王子市周辺で解体工事を請負っている、株式会社野島工務店です。都市部の狭小地や高低差のある土地に建つ住宅を解体する際には、重機を使った作業が難しいことがあります。そうしたケースでは「手壊し解体」と呼ばれる手作業による工法が採用されます。今回は、手壊し解体の概要、採用されるケース、必要な期間と費用、使用される道具などを詳しく紹介します。解体工事の依頼を検討している方は、自身の現場に適した方法を選ぶ参考にしてください。
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【重機が入らない解体現場ではどう対応するか】
解体工事においては、まず重機を使えるかどうかの判断が重要です。一般的な解体工法では油圧ショベルなどの重機を使用しますが、搬入経路が確保できない場合は別の手段を検討しなければなりません。
・小型重機の導入を検討する
通常の建設重機は幅2m以上が主流ですが、ミニショベルなどの小型機械であれば幅1.5m程度とコンパクトです。そのため、狭い道路にも対応可能なケースがあります。木造住宅や2階建て程度の建物であれば、小型重機でも十分な破壊力を持っており、解体作業が可能です。ただし、道幅や電柱の位置、曲がり角などで搬入できない場合は、やはり手作業が必要になります。
・人の手による「手壊し解体」の選択肢
重機がどうしても入れないような場所では、人の手で建物を解体する「手壊し工法」を採用する必要があります。これは、人力で一つひとつの構造物を解体する方法で、時間と手間がかかるため費用も高くなりがちです。近年は廃材の分別処理が義務づけられているため、内部の解体を手作業で行い、構造体だけ重機で壊す「分別解体」も一般化していますが、搬入困難な場所では全ての工程が人力になります。
【手壊し解体にかかるコストと期間】
・費用の目安
人の手で解体を進める手壊し工事は、通常の重機解体と比べて費用が高めです。目安としては、約2〜3倍の費用がかかることもあります。これは、工期が長くなるために人件費が増加すること、資材の運搬も手作業になることなどが主な要因です。道路事情によりトラックが現場付近に駐車できない場合、廃材は一輪車で運ぶ必要があり、作業効率が下がるため、結果としてコストが上がります。
・解体に必要な期間
一般的な木造住宅の解体では、重機使用時で7〜10日ほどですが、手作業の場合は単純に倍近い14〜20日を見込む必要があります。さらに業者選定や見積もり、打ち合わせなどの準備期間も含めると、着手から完了まで最低1ヶ月はかかると考えておいた方が良いでしょう。売却や建て替えなどでスケジュールが決まっている場合は、早めに業者に相談することが大切です。
【手壊し解体が必要になる状況とは】
どんな場合に手壊し解体が必要になるのでしょうか?実際に多い4つのケースを紹介します。
・現場までの通路が狭すぎる
重機の通行には最低でも2m程度の幅が必要です。現場に面した道路が2m未満、または途中に細い路地や障害物(電柱・急角度のカーブなど)がある場合は重機の進入が困難です。こうした場合には必然的に手作業で解体を進めるしかありません。
・敷地と道路に高低差がある
解体する建物が高台にある、あるいは半地下構造になっていると、重機を直接搬入することが難しくなります。クレーンを利用して重機を吊り上げる方法もありますが、敷地が狭い場合や隣接地との関係でスペースが取れない状況だと、人力に頼らざるを得ません。
・交通量や人通りが多い地域
繁華街や商店街の中にある建物では、工事中にトラックや重機を停めることで通行の妨げになりやすく、トラブルの原因にもなります。交通の流れに影響を与えるような地域では、安全確保のためにも手作業で慎重に進めることが求められます。なお、道路使用許可を取得することで短期間の重機作業が可能になるケースもあるため、業者との相談が重要です。
・階段の上に立地する建物
坂道や長い階段を上った先に建っている家屋は、重機の搬入が不可能なことが多くなります。階段の勾配や距離によっては鉄板を敷いて重機を通すこともできますが、作業効率と安全面を考えると、やはり手作業が選ばれます。
【手壊し解体の特徴と主な利点】
手壊し解体はコストや時間がかかる一方で、いくつかのメリットもあります。
・騒音・振動の低減
重機による解体では大きな音や地面の揺れが発生しやすいですが、手作業であればこれらを抑えることができます。住宅が密集しているエリアでは、近隣住民への配慮として手壊しが好まれる傾向があります。
・丁寧で安全な作業
重機を使う場合、隣家の壁や塀を誤って破壊してしまうリスクもありますが、手壊しなら慎重に作業を進められます。とくに建物同士が隣接している場合には有効な方法です。
・長屋や集合住宅に適している
隣戸と壁を共有している長屋などでは、重機で誤って隣の住居にダメージを与えるリスクがあります。手壊し解体ならそのような事態を避けつつ、慎重に作業を進めることができます。
【手壊し解体で使われる主要な道具】
人力による解体では、以下のような道具が多用されます。
・バール:テコの原理で建材を引きはがす道具。
・バチ(解体バチ):クワのような形状で、木材などを叩き壊す際に使用。
・ハンマー類:壁の破壊に使われ、特に大型は「スレッジハンマー」とも呼ばれる。
・レシプロソー:木材やプラスチック、金属などを切断できる電動のこぎり。
・チェーンソー:木造建築の柱や梁の切断に活躍。
・スコップ、シャベル:瓦礫を集めて袋に詰める作業に使う。
・一輪車:運搬用の手押し車として、廃材移動に活躍。
【昭島市、八王子市での解体工事はエコ・クリーン解体(株式会社野島工務店)へ】
今回は、解体工事の際に重機が入らない場合の対処法として挙げられる手壊し解体について、そのメリットやデメリットなどについて詳しく解説いたしました。手壊し解体は人の手による丁寧な作業を行うことが出来る一方で、作業効率が落ちる為費用も高くなりがちです。一見重機が入らないほど狭いスペースに見えたとしても、小型重機で対応できる場合もあるため、まずは専門業者に現場を確認してもらうことをおすすめいたします。昭島市、八王子市で解体工事をご検討の際は、ぜひ株式会社野島工務店へご相談ください。