昭島市、八王子市で解体工事を請負っている、株式会社野島工務店です。解体工事を行う際、建物の上物や基礎を取り壊すだけでなく、地中に埋まっている“杭(くい)”の存在が課題になるケースがあります。杭は建物を支えるために重要な構造物ですが、解体の際に撤去すべきか、それともそのまま残しておくべきか、判断に悩む方も多いのではないでしょうか。今回は、杭の役割や種類、撤去の要否を判断するためのポイントを解説します。
Contents
【杭の役割】
杭とは、地盤の強度が不十分な場合に、建物の荷重を地中深くにある固い地層(支持層)へと伝えるために打ち込まれる棒状の構造物です。地上からは見えない存在ですが、建物の安定性や耐震性を確保するうえで重要な役割を担っています。
例えば、地盤が柔らかい地域では、建物をそのまま基礎に乗せると不同沈下(地盤が不均等に沈む現象)を起こしてしまいます。そこで、杭を地中深くまで打ち込んで建物の荷重を分散させ、長期的に安全な状態を維持できるようにするのです。
【杭の種類】
杭にはいくつかの種類があり、建物の規模や地盤の条件によって使い分けられます。ここでは主に使用される3種類をご紹介します。
1.木杭(もっくい)
木製の杭で、古い住宅や戦前の建物などで使用されていたケースがあります。地中に埋められている部分は酸素が届かないため腐食しにくく、長期間にわたりそのまま残っていることも珍しくありません。ただし、現代ではあまり使用されておらず、現在見かけるのは旧家の解体時が中心です。
2.コンクリート杭
近年最も一般的に使用されているのが、コンクリート製の杭です。プレキャスト(あらかじめ工場で成型)されたものを地中に打ち込む「既製コンクリート杭」と、現場で穴を掘りコンクリートを流し込む「場所打ち杭」に分かれます。中~大型の建築物で多く採用されます。
3.鋼管杭(こうかんぐい)
鋼製のパイプ状の杭で、高層ビルや重量のある構造物に使われることが多いです。耐久性に優れており、支持力も高いのが特徴。ただし、鋼管杭は引き抜く際に強い力が必要で、撤去費用が高額になる傾向があります。
【杭を撤去するか、そのまま残すかの判断基準】
建物を解体する際、杭の扱いについては2つの選択肢があります。
・杭を地中から完全に撤去する
・杭を地中に残したままにする
どちらが適切かは、以下のような条件によって異なります。
・撤去すべきケース
① 土地を売却予定で、買主から杭撤去を求められている
② 新しい建物を建てる際に、既存の杭が邪魔になる
③ 再利用や別の土地利用(畑・駐車場など)に支障が出る
④ 行政や建築基準法で撤去が義務付けられている
たとえば、再建築を予定していて新たに基礎工事や杭打ちが必要な場合、既存の杭があると干渉してしまうため、撤去しなければならないケースがあります。
・残してもよいケース
① 再建築の予定がなく、更地にして売却・活用する場合
② 新しい杭打ちと干渉しない位置にある
③ 地中埋設物としての扱いが許容される範囲
ただし、地中に杭を残す場合は、土地を売却する際に「地中埋設物あり」と明記しないと、後々のトラブルにつながる可能性があります。不動産売買契約では、杭などの埋設物の有無が重要な要素となるため注意が必要です。
・杭を残した場合のリスクやデメリット
杭を撤去せずに残しておく選択をした場合、以下のようなリスクがあることも理解しておく必要があります。
1.土地の資産価値が下がる
買主が「地中に杭が残っている土地」として認識すると、再建築に不安を感じる可能性があり、価格交渉の対象になることがあります。
2.再建築時に追加工事が必要になる可能性
杭が干渉する位置にあった場合、後から撤去しなければならなくなり、コストがかさむ可能性があります。
3.行政指導や建築審査で指摘を受けることがある
特に都市計画区域内や再開発エリアでは、地中埋設物が問題視されることがあります。
杭を残す判断をする場合は、リスクも含めて検討したうえで、土地の将来的な活用について不動産会社や建築士、解体業者とよく相談することが重要です。
【杭の有無はどうやって調べる?】
自分の土地に杭があるかどうかわからないという方も多いでしょう。以下の方法で確認できます。
1.建築時の図面や設計図を見る
建築確認申請や構造図などに、杭の種類・本数・深さが記載されていることがあります。
2.施工会社やハウスメーカーに問い合わせる
以前に建物を建てた業者に連絡できる場合、杭の施工記録が残っている可能性があります。
3.地中探査やボーリング調査を実施する
杭の存在を正確に知りたい場合、専門業者に依頼して地中調査を行うこともできます。費用はかかりますが、再建築や売却時のトラブル防止に役立ちます。
【昭島市、八王子市での解体工事はエコ・クリーン解体(株式会社野島工務店)へ】
今回は、建物における杭の必要性や、杭を抜いたほうが良いケース、残しておいた方が良いケースなどについて解説いたしました。解体工事において、杭の撤去は見えない部分だからこそ判断が難しく、費用面でもトラブルの原因になりやすいポイントです。杭を残しておく場合、撤去する場合、それぞれにメリットやデメリットがあるため、よく検討するようにしましょう。昭島市、八王子市周辺で解体工事をご検討の際は、ぜひ株式会社野島工務店へご相談ください。