昭島市、八王子市周辺で解体工事を請負っている、株式会社野島工務店です。お住まいの敷地内に古い小屋や納屋があると、スペースの有効活用や安全面の観点から、いずれは解体を検討する必要が出てくるでしょう。その際、多くの方が一度は「この程度の構造物なら、業者に依頼せず自分で壊せるのでは?」と考えたことがあるのではないでしょうか。
実は、小屋のような比較的シンプルな構造の建物であれば、必要な準備と安全対策をしっかり行えば、個人での解体も可能です。ただし、解体作業には危険が伴うため、無計画な作業は大変危険です。必要な道具や安全装備、事前の届け出や法律上の注意点を把握したうえで、慎重に進めることが大切です。
今回は、小屋を自力で解体する際の一連の手順や使用する道具、かかる費用の目安、安全確保のためのポイントなどを詳しくご紹介します。
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【DIYによる小屋解体に許可は必要?】
最初に気になるのが、「自分で小屋を解体しても法的に問題ないのか?」という点です。通常、業者が建物を解体する場合は、「建設業許可」や「解体工事業登録」といった資格や届け出が必要になります。しかし、これは営利目的で工事を請け負う業者向けの規定であり、一般の個人が自分の所有する建物を解体する場合には、これらの資格は基本的に不要です。
とはいえ、すべての場合に許可が不要というわけではありません。解体する建物の規模や立地条件、建材の種類によっては、行政への届け出や専門資格が必要となるケースもあります。とくに注意が必要なのが、アスベスト(石綿)が使用されている可能性のある小屋です。
【アスベスト使用の可能性がある建材への注意】
2006年以前に建てられた建物の中には、屋根材や壁材、断熱材などにアスベストが含まれている場合があります。アスベストは、粉じんとして空気中に飛散した状態で吸い込むと、肺に深刻なダメージを与え、将来的な健康被害につながる恐れがあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
もし、解体しようとしている小屋が築年数的にアスベスト使用の可能性がある場合は、自己判断での解体は避け、まずは専門業者に調査を依頼しましょう。仮にアスベストが使用されている場合は、法令に基づいた適切な処理が義務付けられており、専門の解体業者に任せる必要があります。
【解体作業前に必要な準備と手続き】
DIYでの小屋解体を行う前には、以下のような準備と行政手続きが必要です。これらを省略すると、思わぬトラブルや事故につながる恐れがあるため、抜かりなく行いましょう。
1. ライフラインの停止
小屋に電気やガス、水道などが引かれている場合は、必ず使用停止の手続きを行い、作業前に安全を確保しておきましょう。
2. 行政への届け出
建設リサイクル法では、一定規模以上の建築物の解体には事前の届け出が義務付けられています。たとえ小さな小屋でも、地域の条例によっては届け出が必要な場合がありますので、事前に自治体に確認することをおすすめします。
3. 近隣住民への挨拶
解体作業では、騒音や振動、粉じんの発生が避けられません。トラブルを未然に防ぐためにも、事前に近隣住民へ挨拶し、作業期間や時間帯を伝えておくとよいでしょう。
【DIY解体に必要な費用と道具について】
小屋をDIYで解体する場合、費用がまったくかからないというわけではありません。必要な道具の購入やレンタカーの手配、廃材の処分などにコストがかかります。
たとえば、6畳(およそ3坪)ほどの木造小屋を解体するケースでかかる費用は以下のとおりです。
主な費用の内訳
工具や保護具の購入費:約30,000円〜40,000円
軽トラックのレンタル代およびガソリン代:約8,000円
廃材の処分費用:約20,000円〜30,000円
合計で、おおよそ7万円〜8万円程度を見込んでおくと安心です。これでも、専門業者に解体を依頼した場合と比較すると、費用を大幅に抑えることが可能です。
【廃材の処分方法と注意点】
自分で解体を行った場合、発生した廃材をどう処理するかも重要なポイントです。業者が解体した場合は「産業廃棄物」として処理され、処分費用も高額になります。一方で、個人が出す廃材は多くの自治体で「一般廃棄物」として扱われるため、比較的安価に処分が可能な場合もあります。
ただし、ゴミの種類や分別のルールは自治体によって異なるため、事前に自治体のホームページや窓口で確認し、指示に従いましょう。
【小屋解体に必要な道具と保護具】
DIY解体を安全かつ効率的に進めるためには、専用の工具と保護具が欠かせません。以下に、必要な道具の例を挙げます。
解体に使用する主な道具
・バール(2,000円〜):釘抜きや材のてこの原理による取り外しに使用
・大ハンマー(3,000円〜):柱や壁の解体に役立つ
・釘抜き付きハンマー(2,000円〜):細かい釘の除去に便利
・のこぎり(2,500円〜):木材の手切りに
・電動丸のこ(7,000円〜):効率的な切断作業に最適(要安全対策)
・脚立(10,000円〜):屋根など高所作業に使用
安全のための保護具
・ヘルメット(2,500円〜):落下物や頭部保護に
・防塵ゴーグル(500円〜):目の保護に
・マスク(2,000円〜):粉じん吸引防止
・作業用手袋(700円〜):手の怪我予防
・安全靴(4,000円〜):釘などから足を保護
【小屋を解体する実際の作業手順】
1. ライフラインの停止と周辺の確認
まず、作業開始前に電気やガスの停止を確認し、廃材の一時保管場所を決めておきます。
2. 養生の設置
近隣への粉じん飛散や破片の飛び出しを防ぐため、ブルーシートなどで作業場の周囲を囲っておきます。
3. 屋根材の撤去
高所作業になる屋根部分からスタート。慎重にトタンや瓦などを取り外します。
4. 壁・柱の解体
バールやハンマーで壁材を順に外し、最後に柱を倒さないように注意して取り除きます。
5. 床部分の解体
床板や根太を取り外し、基礎部分が見えるまで解体を進めます。
6. 廃材の分別と搬出
木材、金属、ビニールなど素材ごとに分け、自治体指定の方法で処分します。
【小屋解体ならエコ・クリーン解体(株式会社野島工務店)へ】
今回は、小屋を自分で解体する際の手順について解説いたしました。比較的簡素な構造の小屋であれば、必要な手順と道具をそろえれば、個人でも安全に解体することは可能です。ただし、見落としがちな法的手続きやアスベストの有無、安全対策などは絶対に軽視してはいけません。「費用を抑えるために自分でやる」という目的でも、無理をせず、安全第一で作業を行いましょう。万が一不安がある場合は、部分的にでも専門業者に相談することをおすすめします。昭島市、八王子市で小屋解体をご検討の際は、ぜひ株式会社野島工務店へご相談ください。